I-T相関についてのメモ

項目-テスト相関の性質についてLord & Novick (1968, p.330)を読んだ際のメモ(表記は一部変えた)。

テスト理論の中に項目-テスト相関(item-test correlation, 以下I-T相関)というものがある。 名前の通り,テストのある項目得点とテスト得点(合計得点)の相関である。

このI-T相関を用いると,テスト得点の分散の別表現が得られる。 テスト得点の分散$\sigma^2 _{X}$を$\sigma(X, X)$のように自身と自身の共分散で表してみる。 各項目を$Y_i$として$X \equiv \sum^{n} _{i = 1} Y_i$と定義すると, $$ \sigma _{X} ^2 = \sigma(X, X) = \sigma(X , \sum^{n} _{i = 1} Y_i) = \sum^{n} _{i = 1} \sigma(X, Y_i) = \sum^{n} _{i = 1} \sigma _X \sigma _i \rho _{i X} $$ となる。ここで$\sigma _i$は$i$番目の項目得点の標準偏差,$\rho _{iX}$は$i$番目の項目についての項目-テスト相関である。

両辺を$\sigma _{X}$で割ることで $$ \sigma _{X} = \sum^{n} _{i = 1}\sigma _i \rho _{i X} $$ となる。 この式が意味していることを言葉で言えば,「テスト得点の標準偏差は,項目の標準偏差とI-T相関の積を合計したもの」ということになるだろう。

引用文献

  • Lord, F. M., & Novick, M. R. (1968). Statistical theories of mental test scores. Addison-Wesley Pub. Co.