続・2群のプリポストデータに関して

以前に書いたもの

以前に2群のぷりポストデータについての記事を書いた. (2群のプリポストデータに関して
それに, 関連した文献を読んだの記録を残しておく.

プリポストデータへの分析の使い分け

小杉先生が翻訳したグリム・ヤーノルド『研究論文を読み解くための多変量解析入門応用編』(北大路書房)に書いてある. pp.279-282が該当するページ.

行動科学の研究者は以下の3つの方法を用いる傾向があるそうだ.

  • 時間を群内変数とし, グループを群間変数とする反復測定のANOVA
  • プレテストを共変量とするANCOVA
  • 差得点に対するANOVA

これらのうちで3つ目を選ぶ人は少ないようである.

最初のANOVAについては「最も倹約的でない方法」とされている. 研究者が興味があるところは, グループ×時間の交互作用で表されており, そこの有意性が確認されたのちに, 単純主効果の検定および多重比較が必要になるので, 複数のステップが必要になる. 交互作用のF値は, 差得点の一元配置のANOVAのF値と等しいので, 後者の方が効率的であるとされている.

差得点のANOVAとANCOVAの使い分けについては研究デザインによるとされている.

具体的には, 実験参加者のグループへの割り当てが完全にランダマインズされたデザインでは, ANCOVAはより強力なツールになるようである

擬似実験だとやや事情が異なり, プレテストのスコアがグループ間で異なる場合には, 差得点の分析を行うのが妥当であり, グループ間でスコアが異ならない場合にはとANCOVAが強力だと書いてある.

上記の説明

詳しくは, Huck & McLean, 1975とMaxwell & Delaney, 1990に書いてあるらしい. (読んでいないけど)