Annotated Bibliographyについて

更新日:2023年3月22日

Annotated Bibliographyというものがあります。 Bibliographyは「文献目録」で,annotateは「注釈をつける。註解する。」という意味なので,直訳すれば「注釈つきの文献目録」です。 実際,ジーニアス英和辞典(6版)では「annotated bibliography」に「注釈つき文献目録」という訳をあてています(以下では,この訳語を使います)。 他には「文献解題」という語を当てられているものも見ます。

ここでは注釈つき文献目録について日本語で紹介しているページをいくつか紹介します。

東京大学のKomaba Writers’ Studio(KWS)という学内の機関によって作られたもの。 KWSというのは学生のアカデミックライティングをサポートする「ライティング・センター」のようです(詳しくは知りませんが)。 注釈つき文献目録がどういうもので,そこに何を含めるのかについて端的にまとめています。

エナゴアカデミーという英文校正会社の記事。 注釈つき文献目録(文献解題)とは何かについて以下のように説明しています。

「文献解題」とは、基本的には、通常の参考文献一覧に、その文献のまとめと自分の評価を加えたもののことを意味します。

研究において注釈つき文献目録がどのように使われているかや,作成するときのポイントも書いてあります。

国際教育コンソーシアムというところが,「留学のインパクト」というテーマについてまとめた文献解題を公開しています。 作成したのは新見有紀子先生(東北大学)という高等教育を専門とする先生のようです。 注釈つき文献目録の例として紹介されるものは英語が多いのですが,日本語で書かれた貴重な具体例です。

関西学院大学の現代民俗学がご専門の島村先生のゼミで学生が取り組んだものの記録。 一般的な注釈つき文献目録は文章でまとめていきますが,このゼミでは「対象」「フィールド」「方法」など論文の情報を項目ごとに整理させたうえで作成させています。 論文を読むことに慣れていないうちは,論文をまとめる際の補助となるような「枠」があった方が教育的なのかもしれません。